昨日東大 伊藤元重教授のセミナーに参加。
テーマは流通を軸とした現況の経済についてである。
周知された情報と併せてエッセンスをお伝えできればと思う。
昨日の中国考察にも記載したが、16日発表された経済指標
は惨憺たるものであった。しかし学者から見た今後の経済予
測はもっと悲惨に感じ怖さを覚える。
『日米欧の経済不況は状況が違う』
国内に伝わってくる海外の情報は極めて少ない。その中
から考察をすることは難しいのだが、伊藤教授がまとめた
ことを簡単に記載して見る。
米国 金融危機
消費の不況
EU 日本型バブル崩壊
日本 輸出企業不況
内需不足危機
キーワードを列挙するとこのようなイメージとなる。輸出型
企業の筆頭に上げられる電機業界を考察するとこんなこと
が考えられるらしいのでエッセンスを記載して見る。
『電気業界』再編
国内バブル崩壊後に国有銀行3校、都市銀行10校は現在
東京三菱UFJ、みずほ、りそな銀行の3校となっているが
電機業界も同様になるのでは無いかという事である。
電機業界の現状については今週の日経ビジネスにも記載が
あるが、この3月の赤字はとどまるところを知らない。しかし
短期的な赤字やファイナンスの問題で再編を予測しているの
ではない。基本的に経営が成立たないという現実がある。
2002年から07年まで続いた円安で高収益を謳歌したが、
今回の経済危機を終えたときに、全ての企業が生き残れる
マーケットが国内に無いこと、海外売上比率が高いことが最
大の要因である。
日本の高齢化社会と貯蓄率の高さは周知であるが、これか
ら更に進む高齢化ではマーケットが無いという現実がある。
また海外売上比率が50%を超えている企業が多く国内に
留まる理由も無い。キャノンは70%を超えるらしい。早期に
内需拡大のメカニズムができる可能性も薄く、世界的な経
済危機では円安の可能性も低い。また経営社側から見た雇
用環境の悪化(派遣での工場維持が困難になる可能性大)
は海外移転の可能性を更に高める。そうなれば海外で有力
なブランドを持った企業とそれを補う技術力のある企業との
間で再編が起きる可能性は高くなって当然であり、国内は
大幅な縮小、徹底したグローバル化が考えられる。日経ビジ
ネスでは、今回の縮小や赤字で底を打ったと言明している企
業は無いそうである。パナソニックの例をあげれば、国内外
で27拠点の統廃合、15000人の人員削減である。これが
初期段階であるとしたなら十分に考えられる。パイオニアの
液晶撤退もその一例であろう。
ガラパゴス現象を携帯電話の事例を上げ良く取り上げられ
るのだが、このような状況で電機業界のこの現状を考えれば
ガラパゴスが改善されても難しいように感じる。
『生き残り手法』
ゴールデントライアングルに固執する

難しいことではあるが、ここに固執することが重要となる。
商品の品質は今や絶対条件であるが、自社のブランディング化
やファン化も見逃すことができない。
特に取上げたいのはビジネスモデルの構築である。ビジネス
モデルの賞味期限は短い。一つの成功モデルもライバルが現
れ短期間で陳腐化をする。これを念頭に常に考え続けることが
必要になる。伊藤教授は円安時にエレクトロニクス業界は安穏
としていたと言われていたが、企業はマグロのように止まっては
いけないようである。
スマイルカーブ

これはEMSの事例だが他産業でも同様である。どちらかの極
をビジネスドメインとすることが成功要因である。服飾業界を例
にあげるとアルマーニとユニクロである。集中と選択的な考え方
であり、色褪せた考え方ではあるが今だからこそ収益があがる
ポジションを見付け出しそこに資本投下をする。人的資本、資産
知を集中投下しリーディングカンパニーとなることが生き残りの手
法であるのかも知れない。
米国の経済危機が終えても危機以前にもどるわけではない。マ
ーケットを見据えたビジネスモデルの構築が急務のようである。
